飲食店開業"資格"のリアル

飲食店を開業するには、資金計画だけではなく、周辺の法律的な対応が必要です。
ここでは、管轄期間別の対応も示しながら、どこで何を対応すればよいかを整理します。

飲食店を開業する際の資格・許可等について

飲食店を始めるには、法律で定められた許可・届出を事前に行う必要があります。
続きが遅れると開業に支障をきたすことがありますので、計画段階から準備を進めましょう。

種類・内容管轄機関主な要件・注意点
飲食店営業許可
食品衛生法に基づき、飲食物の提供をする店舗が必要とする許可
保健所・厨房の構造・衛生設備の
 基準を満たすこと
・従業員の衛生管理
 (手洗い設備など)
・食品取扱者の責任者設置
 (講習の受講が必要な場合あり)
深夜酒類提供飲食店営業開始届出
酒類を深夜提供する場合に必要な届出(通常午後10時~午前5時)
都道府県または
市区町村の行政機関
・深夜営業の時間帯、
 目的等の内容を明確にすること
・近隣との騒音・治安等の対策を
 検討しておくこと
風俗営業許可※該当する場合
店舗形態・営業内容により、
風俗営業に該当するケースがある
警察署管轄区域の
公安委員会
・照明、音響、構造など規制が厳しい
・営業形態によって該当するかどうか
 専門家に確認を
建築関係の許可確認申請
改築や用途変更、建築基準法に関する確認等が必要なケース
建築主事
建築指導課など
・消防法との関連
 (防火・避難経路など)
・バリアフリー
 安全性の確保
・用途変更があると確認申請が必要に
 なることが多い
消防署への届出防火管理者
消防法令・防火設備の設置など
地元消防署・消火器、スプリンクラーなどの
 設置基準
・定期点検の義務
・一定規模以上では防火管理者の
 設置が必要
労働基準関係届出
従業員を雇うなら、労働基準監督署などへの届出が必要
労働基準監督署
ハローワークなど
・労働条件の明示
・社会保険、雇用保険の手続き
・労働時間、賃金等が法令に
 適合しているか確認

開業前に確認すべきポイント

  1. 保健所の指導を早めに受ける
    建築設計段階で厨房・手洗い場・換気設備・排水設備などの構造が保健所の基準に合致するかを相談。
  2. 営業時間・提供内容の明確化
    酒類提供や深夜営業などをするかどうかにより、届出・許可の種類が変わるので、メニュー構成と営業形態を固めておく
  3. 消防・建築の整合性
    防火・避難経路・建築用途変更など、消防署・市の建築課との調整が必要な場合が多い。
  4. 人材・衛生管理の体制づくり
    食品衛生責任者の設置、従業員の衛生教育や資格取得、作業場の清掃・衛生管理の計画など。

一覧へ戻る